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自己紹介

  名前:うさこ
  萌属性:血縁、年の差、アホ子受、ワンコ攻
  好き:甘々、主人公総受け
  嫌い:イタい子
  イチオシ:平川大輔ボイズ

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「ここかぁ…………」
大洋は、大通りから一本奥に入った住宅街に、ひっそりとそびえる八階建てのビルを見上げた。
石張りの壁面が夏の強い日差しを照り返して、黒々と輝いていた。
「こしき、さえきしんとう――――で、あってんだよな」
重厚な外観に、おっかなびっくり近付いたビルの入り口には、墨痕も鮮やかに『宗教法人 古式佐伯神道 本庁』と大書されたケヤキの一枚板が、堂々と掲げられていた。
大洋はその看板と、雑誌の隅に走り書きしたメモを幾度も見比た。
引き千切って来たページの切れ端には、本人以外には全く判読不能な文字で、確かに『派遣先、古式さえき神道本庁。依頼主、さえき うどう』と記されていた。

「ちわーっす…………どーもー」
大洋は小声で呼びかけながら、ロビーとして使用されているらしい玄関ホールに足を踏み入れた。
臙脂色のカーペットが敷き詰められたエントランスは、しんと静まり返って、人の気配がまったくなかった。
「あのー……すいませーん、誰か居ませんかぁー……俺、トックル派遣から来た――――」
「お待ちしておりました」
「おわっ!」
突然背後から声をかけられて、大洋は思わず仰け反った。
慌てて振り返ると、白の単衣に浅葱色の袴という、いかにも神職らしい装束に身を包んだ切れ長の目の男が、静かに頭を下げていた。
「あ、あの、どーも……俺、警備の仕事で、佐伯さんって方に呼ばれて来たんですけど――――」
いつから居たのか、まったく気配を感じさせずに現れた男に、大洋はへっぴり腰で会釈した。
「えーっと……貴方が、佐伯さん――――ですか?」
大洋は頭をかきながら上目使いで男の様子をうかがった。
着物の似合う恰幅と、姿勢の良さから、おそらく三十代半ばだろう、と見当を付けた。
「いえ、私は禰宜(ねぎ)の栗田と申します」
「へ……ネギのクリ…………?」
「くりた、と申します」
間抜けな顔で聞き返した大洋に、男は眉一つ動かさずもう一度丁寧に名乗った。
「あぁ、栗田さん……栗田さん、どうも、よろしくお願いします。俺はトックル派遣の千葉――――」
へへへと誤魔化し笑いをしながら握手の手を差し伸べた大洋を、栗田はあっさりと無視した。
「宮司は、上でお待ちですので、どうぞこちらへ」
自己紹介を遮り、くるりと背を向けて歩き出した栗田の後を追いながら、大洋は、やべぇ怒らせたかな、と内心で汗をぬぐった。
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