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2008/04/04 (Fri)
『警備業務、日給十万円――――』
千葉大洋(ちばたいよう)はその求人メールの給与額を見た瞬間、ほとんど反射的に、派遣会社へ連絡していた。
大洋が登録している「トックル派遣」は、業界最小の呼び声も高い、弱小派遣会社だが、時々こういった大手には回らない、怪しげな――しかし割りのいい仕事依頼が持ち込まれるのだ。
そして大洋は、そういうハイリスク・ハイリターンの仕事のみを好んで請け負い、大学卒業以来二年間、今年で24になる現在までずっと、「月の半分を寝て暮らす」という理想を、見事に実現させているのだった。
千葉大洋(ちばたいよう)はその求人メールの給与額を見た瞬間、ほとんど反射的に、派遣会社へ連絡していた。
大洋が登録している「トックル派遣」は、業界最小の呼び声も高い、弱小派遣会社だが、時々こういった大手には回らない、怪しげな――しかし割りのいい仕事依頼が持ち込まれるのだ。
そして大洋は、そういうハイリスク・ハイリターンの仕事のみを好んで請け負い、大学卒業以来二年間、今年で24になる現在までずっと、「月の半分を寝て暮らす」という理想を、見事に実現させているのだった。
「あ、どうも、千葉っす。日給十万の警備ってメール見たんですけど、まだ大丈夫すか」
メールの着信音で叩き起こされた大洋は、五分刈りの頭と、無精ひげの生えた四角い顎をボリボリと掻きながら、起き抜けの掠れ声で言った。
電話口に出た担当者は、大洋のあまりに素早い反応に苦笑しながら、今すぐ行けるか、と聞いた。
「はいっ、もちろん!」
大洋は寝巻き代わりのトランクス一枚の姿で、ぺちゃんこに潰れたせんべい布団の上に勢いよく立ち上がった。
「早い者勝ち」という業界のルールに従って、大洋はこの得体の知れない「警備」の仕事を見事に勝ち取ったのだ。
「派遣場所は――――はい、はい――――」
大洋は携帯を首に挟んで相槌を打ちながら、擦り切れた畳の上に、抜け殻のように脱ぎっぱなしになっているジーンズに足を突っ込んだ。
聞き取った詳細は、昨日ゴミ捨て場から拾ってきた雑誌の隅に書き付けた。
説明を終えた担当者が、それじゃあ頼むぞ、と静かに電話を切ったのと同時に、大洋は部屋を飛び出した。
あまりの勢いに、木造築30年のボロアパートがガタガタと振動した。
「こら! 大洋っ! 暴れるんじゃないよ、床が抜ける!」
「うぁっ、大家さん、すんませんっ!」
ガラス戸から顔だけを覗かせて怒鳴り声を上げた老婆に、大洋はママチャリに跨りながらペロリと舌を出した。
「おぉ、今日も暑くなるぞぉ!」
真っ赤なペンキを塗りたくった自慢の愛車を全力で漕ぎながら、大洋は天を見上げた。
真夏の空はまだ明けきってはいなかったが、もう既にセミの声がジリジリと辺りを賑やかし始めていた。
メールの着信音で叩き起こされた大洋は、五分刈りの頭と、無精ひげの生えた四角い顎をボリボリと掻きながら、起き抜けの掠れ声で言った。
電話口に出た担当者は、大洋のあまりに素早い反応に苦笑しながら、今すぐ行けるか、と聞いた。
「はいっ、もちろん!」
大洋は寝巻き代わりのトランクス一枚の姿で、ぺちゃんこに潰れたせんべい布団の上に勢いよく立ち上がった。
「早い者勝ち」という業界のルールに従って、大洋はこの得体の知れない「警備」の仕事を見事に勝ち取ったのだ。
「派遣場所は――――はい、はい――――」
大洋は携帯を首に挟んで相槌を打ちながら、擦り切れた畳の上に、抜け殻のように脱ぎっぱなしになっているジーンズに足を突っ込んだ。
聞き取った詳細は、昨日ゴミ捨て場から拾ってきた雑誌の隅に書き付けた。
説明を終えた担当者が、それじゃあ頼むぞ、と静かに電話を切ったのと同時に、大洋は部屋を飛び出した。
あまりの勢いに、木造築30年のボロアパートがガタガタと振動した。
「こら! 大洋っ! 暴れるんじゃないよ、床が抜ける!」
「うぁっ、大家さん、すんませんっ!」
ガラス戸から顔だけを覗かせて怒鳴り声を上げた老婆に、大洋はママチャリに跨りながらペロリと舌を出した。
「おぉ、今日も暑くなるぞぉ!」
真っ赤なペンキを塗りたくった自慢の愛車を全力で漕ぎながら、大洋は天を見上げた。
真夏の空はまだ明けきってはいなかったが、もう既にセミの声がジリジリと辺りを賑やかし始めていた。
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